減塩食品の紹介(食塩含有量の少ない食品の紹介)
高血圧学会減塩・栄養委員会では高血圧患者さん並びに減塩をしようとしている方たちのお役にたてるように,減塩食品のリストを作ることにしました。(2013年6月から)
後述のように減塩食品にはいくつかのポイントがあります。それは,その食品の栄養素などの必要事項が正しく記載されていることや,長く使い続けられるための美味しさがあること(対照となる食品とほぼ同じ味であること)などです。高血圧圧学会減塩・栄養委員会ではこれらの点を配慮して減塩率が20%以上の優良な食品を減塩食品リストに掲載しています。
今般,このリストに掲載された食品のなかから減塩化の推進に優れた成果をあげたものに対して,アワードを創設して表彰することにいたしました。(2015年5月から)
優れた減塩食品を売り出しても利用者が増えなければ意味はありません。企業が販売のための努力をし,その食品が多く市場に出回ることによって減塩化は推進されます。そこで,販売実績調査から,減塩でない食品(対照品)を減塩食品に変えたことによってどれだけ食塩が減るのかという「相対的減塩量」を計算して評価しています。また,申告していただいた販売のための取り組みなどもアワードを決める参考にします。
減塩食品に関連する知識を身につけていただき,それがどのように位置づけられ,どのくらいに役立つ(どの程度の減塩になるか)のかを知ることは重要です。重要なポイントとして以下のようなことを理解する必要があります。
減塩食品の重要なポイント
(1)食塩相当量とナトリウム(Na)量は異なります:ナトリウム(g)×2.54=食塩(g)。
(2)表示された数値には誤差があります:許容範囲は±20%。
(3)ナトリウム量(食塩相当量)が低いという意味の栄養表示基準(強調表示)。
①含まない旨の表示(「無塩」など):食品100gあたりのナトリウム量は5㎎未満。
②低い旨の表示(「低塩」など):食品100gあたりのナトリウム量は120㎎以下。
③低減された旨の表示(「減塩」など):ナトリウム低減量が100gあたり120㎎以上。
④その他:またしょうゆのナトリウムについて低減された表示を行う場合は,上記③の条件を満たした上で,低減割合が20%以上。
(4)減塩率についてよく理解しましょう:あくまでも目安に過ぎない。
(5)食品を減塩にすると保存性に影響します:チルド食品等は賞味期限に注意。
(6)アレルギー表示も良く見ましょう。
(7)減塩食品は不味いものばかりではありません。
(8)従来品を全面的に減塩化することにより減塩の対照がなくなってしまったり,日本食品標準成分表にその分類がないために,減塩表示ができない減塩食品があります。
なお,減塩食品は高血圧に対して万能という訳ではありません。特定の食品に偏った摂取をしたために,他の栄養素が不足して,かえって健康を害するといったことがないように適切な使用をお願いいたします。
問い合わせ先
- 日本高血圧学会 事務局
減塩・栄養委員会担当 - genenjpnsh.jp