さあ、減塩!(減塩・栄養委員会から一般のみなさまへ)

減塩・栄養委員会の取組、活動

減塩・栄養委員会の取組

日本高血圧学会減塩・栄養委員会の減塩に対する取り組み

減塩食品リストと減塩食品アワード

2013年から適正で美味しい減塩食品の普及を目的として、「減塩食品リスト」をホームページに掲載してきました。
2024年4月現在では幅広い領域の食品からなる26社108製品を掲載しています。さらに、このリストに掲載された製品の販売状況調査も行っており、掲載品による減塩への貢献は年々増加しています。2023年度に掲載された製品(26社112製品)による食塩の低減量は1,148tで、2013年以降の累計では9,678tとなりました。

JSH減塩推進10年アワード
JSH減塩食品リスト発足から10年間の活動を総括し、減塩化に大きく貢献した製品に対しJSH減塩推進10年アワードとして15社34製品に表彰状の授与を行いました。

減塩食品リストの品目が100製品を超えた2015年より、減塩食品リスト掲載品の中でも特に減塩に貢献していると思われる製品に「減塩食品アワード」の制定・授与を開始しました。2023年9月には第7回の「減塩食品アワード」を発表しました。3社3製品に減塩食品アワード金賞の授与を行いました。

減塩・増カリウム啓発キャラクターについて

減塩啓発キャラクター(良塩くん,うすあ人)

良塩くん うすあ人
料理大好き、健康にとっても気を使う6歳児。
アタマのキャップはお塩の計量スプーン、
腕にはいつも血圧計。
友達のうすあ人と一緒に、
きょうも健康について情報チェック!!!
良塩くんを応援するために、地球にやってきた宇宙人。
生まれた星は、光輝くシリウスの隣で薄く控えめに光るシオウス。
シッポは塩分チェッカー。お塩の取りすぎには特にうるさい。
地球の住まいは、良塩くんのおなかのポケット。

減塩啓発キャラクター(カリ菜ちゃん,ベジタ,フルフル,ミルクン)

カリ菜ちゃん
食べるの大好き、良塩くんの同級生
元気でポジティブ。健康も大事だが,美味しさへのこだわりが強い。
良塩くんと一緒に,いつも美味しそうな食べ物をチェック。
エコバッグをいつもぶら下げて,美味しそうな野菜,果物,牛乳・乳製品があると,買ってもらって,持ち歩く。
ベジタ(野菜の小型キャラ)とフルフル(果物の小型キャラ),ミルクン(牛乳の小型キャラ)
生まれた星は,3者とも,食いしん坊星。
美味しいものを見付け出す五感が鋭敏で,カリ菜ちゃんと一緒に,いつも美味しいもの探し。
地球では,カリ菜ちゃんのエコバッグが住処。
第42回日本高血圧学会総会にて、日本高血圧学会減塩推進東京宣言 –JSH減塩東京宣言–が発表されました

「健康な食事・食環境」コンソーシアムに参加

日本高血圧学会減塩・栄養委員会は、「健康な食事(スマートミール)」を継続的に健康的な環境で提供する店舗や事業所の認証制度に、発足時(2018年3月)からコンソーシアム参加団体として関わっています。

減塩委員会委員の日下美穂先生が広島県食育推進功労者県知事表彰を受賞されました!

2017年10月18日、日下美穂先生が減塩サミットin呉2012をはじめとする減塩活動を通して、こどもから大人まで県民の食育に貢献されたことが評価され、広島県食育推進功労者県知事表彰を受賞されました。広島県では2025年まで、「1.減塩、2.野菜を食べる、3.孤食を減らす」の3本柱の達成を目標に食育活動に力を入れるそうです。

日下先生のリーダーシップのもと、広島で展開されている減塩活動が全国に広がることを期待しています。

減塩の日の制定

特定非営利法人日本高血圧学会は日本高血圧協会をはじめ関連団体の賛同を得て毎月17日を「減塩の日」とすることを決定し、4月28日のプレスセミナーにて発表いたしました。

慢性透析患者の減塩目標について(2016年5月27日)

慢性透析患者の減塩目標に関して日本透析医学会より下記の通り申し入れがありました。
減塩委員会で検討しこれを承認することにしましたのでお知らせ致します。

「透析患者は特殊な病態であるため,食塩摂取6g/日未満を原則とするが,尿量,身体活動度,体格,栄養状態,透析間体重増加を考慮して適宜調整する」

(参照:日本透析医学会学術委員会ガイドライン作成小委員会栄養問題検討ワーキンググループ「慢性透析患者の食事療法基準」(透析会誌47(5):287~291,2014))

「食塩相当量」での食品成分表示の義務化が決定!(2015年4月1日食品表示法施行)

日本高血圧学会減塩委員会では,以前から食品の栄養成分表示の義務化と「ナトリウム量」の表示を「食塩相当量」の表示とするよう,関係省庁(消費者庁,内閣府,厚生労働省)に要望書を提出し,働きかけて来ました。

こうした活動が実り,2015年3月に食品表示基準が制定され,食品の栄養成分表示は2020年までには,原則として,「ナトリウム」は「食塩相当量」で表示されることになります。

私たちの取り組みが実を結び,国民レベルでの減塩推進に向けて一歩前進しました。

参考:消費者庁ホームページ 栄養成分表示について

減塩・栄養委員会の活動

日本高血圧学会減塩・栄養委員会は多面的アプローチによる食塩制限を通して高血圧管理と循環器病予防を目指します

高血圧の予防のためにも食塩制限を―日本高血圧学会減塩委員会よりの提言(2012年7月)

高血圧の治療においては食塩制限が重要で,日本高血圧学会は1日6g未満を推奨しています。食塩と高血圧の関係はよく知られていますが,食塩摂取量が非常に少ない地域では高血圧の人はみられず,加齢に伴う血圧上昇もほとんどないことが示されています。食塩制限は,正常血圧の人にとっても,高血圧の予防のために意義が大きいと考えられます。日本では塩分の摂取がまだ多く,一般の人の食塩摂取量*について,男性は1日7.5g未満,女性は6.5g未満とされていますが,欧米のいくつかの国では,一般の人にも6g未満を推奨しています。また,世界保健機関(WHO)も,世界の人の減塩目標を5gにしました。

正常血圧でも高めの130-139/85-89mmHgは正常高値血圧と呼ばれ,より低い血圧に比べると循環器病の危険性が高く,高血圧になりやすいことから,食塩制限を含む高血圧に準じた生活習慣の修正が勧められています。また,糖尿病や慢性腎臓病の人は,正常血圧でも循環器病や腎不全の危険性が高いことが知られており,予防のために食塩制限が重要と考えられます。したがって,日本高血圧学会減塩委員会は,高血圧の予防のために,血圧が正常な人にも食塩制限(1日6g未満)をお勧めします。特に糖尿病や慢性腎臓病の人には,循環器病や腎不全の予防のためにも,1日6g未満への減塩を推奨します。また,大人になっての高血圧や循環器病を防ぐためには,子供の頃から食塩を制限することが望まれます。

ほとんどの日本人は必要量をはるかに超える食塩を摂取しており,減塩による健康障害は起こりません。しかし,低血圧や起立性低血圧で立ちくらみがある場合など,一部の病態では食塩摂取は多いほうがよいこともあります。また,夏に塩分摂取を増やすことは,通常は必要ありませんが,汗を大量にかいた場合は例外となります。

*「日本人の食事摂取基準」の内容が2020年に変わりましたので,一般人の減塩目標の数値を原文から修正しております。

活動の四本の柱

  1. Political and social approach
    政府,自治体,産業界へのはたらきかけによる食塩摂取減少
  2. Population approach
    集団としての高血圧患者,市民,国民へのはたらきかけによる食塩摂取減少
  3. Individual approach
    高血圧患者個人,家族および医療従事者へのはたらきかけによる食塩摂取減少
  4. Publicity activities
    減塩委員会や減塩に関する広報活動

活動の四本の柱

1. Political and social approach

政府,自治体,産業界へのはたらきかけによる食塩摂取減少

加工食品の食塩相当量表示に関する関連省庁への働きかけ

現在加工食品の食塩相当表示は,

  1. 義務化されていない
  2. 表示する場合にはナトリウム量の表示をすべきとされているが,食事指導は食塩量で行われているので,一般の方々の誤解を生じやすい
  3. 一日摂取許容量の何%か示されていないのでわかりにくい

などの問題点があります。そこで,減塩委員会では,三浦克之委員を中心に栄養成分表示における食塩相当量(g)の記載義務化の要望書PDFを作成しました。55の関連する学会や職能団体PDFの賛同を得て,島田和幸高血圧学会理事長(下写真左より2番目),河野雄平委員長(下写真左より3番目),安東克之委員(下写真左より1番目)の3人で関係省庁(消費者庁,内閣府,厚生労働省)に2011年7月15日金曜日に要望書を提出しました。

なお,一日許容量の何%の表示に関しては健常人と高血圧患者の減塩目標値の異なるわが国ではかえって混乱を招く可能性がありますので,今回の要望には含めておりません。

消費者庁では福嶋長官(左写真右より1番目)に要望書をお渡しして,ご説明する機会を得ました。

また,記者会見の場ももうけることができました。

プレスリリース
メディアの反応

読売新聞2011年7月21日~22日「どうなる栄養成分表示(上)すべての加工食品 義務化へ,(下)誤解招く数字のマジック」

糖尿病ネットワーク

生活習慣病予防協会

じほうMRメールニュース 2011年07月27日号 vol.2168

消費者庁 栄養成分表示検討会報告書(平成23年8月23日)PDF
ナトリウム量と食塩相当量の違いPDF
「食塩相当量」の表示義務化が決定!(2015年4月1日食品表示法施行)

日本高血圧学会減塩委員会では,以前から食品の栄養成分表示の義務化と「ナトリウム量」の表示を「食塩相当量」の表示とするよう,関係省庁(消費者庁,内閣府,厚生労働省)に要望書を提出していました。こうした活動が実り,2015年3月に食品表示基準が制定され,食品の栄養成分表示は2020年までには,原則として,「ナトリウム」は「食塩相当量」で表示されることになります。
私たちの取り組みが実を結び,国民レベルでの減塩推進に向けて一歩前進しました。

参考:消費者庁ホームページ 栄養成分表示について

基本的表示例:
食品(100gあたり,または一食分)
熱量 〇 kcal
たんぱく質 ● g
脂質 △ g
炭水化物 ▲ g
食塩相当量 ◎ g
減塩対策強化について学会から厚生労働省への働きかけ

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」においても2020年4月から男性の1日の食塩摂取量の目標値が7.5g未満,女性が6.5g未満と引き下げられ,減塩対策への関心が高まっています。しかし,欧米に比べて減塩対策はまだまだ遅れています。そこで,減塩対策の強化のために,

  1. 健康日本21における減塩目標の強化
  2. 健康日本21による食品産業・外食産業への食塩含有量低下の協力要請
  3. 健康日本21による食品産業における減塩食品の販売強化の協力要請

といった点について厚生労働省へ働きかけを行っていく予定です。

2. Population approach

集団としての高血圧患者,市民,国民へのはたらきかけによる食塩摂取減少

減塩食品の紹介(食塩含有量の少ない食品の紹介)

高血圧学会減塩・栄養委員会では高血圧患者さん並びに減塩をしようとしている方たちのお役にたてるように,減塩食品のリストを作ることにしました。2013年6月に,まず試行版を掲載し,同年10月26日に減塩食品リストの掲載製品募集の説明会を行いました。日本国内で減塩食品を販売されている企業の方々から,2014年の2月下旬に製品の掲載募集を行い,同年5月から本格的にスタートしています。詳細は「減塩食品の紹介(食塩含有量の少ない食品の紹介)」をご覧ください。

減塩活動の支援と紹介

日本高血圧学会は「減塩サミット」の開催を後援・協力します。

減塩サミットでは,①健康維持のために減塩を中心とした食の重要性を啓発すること,②減塩を実行できる社会環境の整備を促進することを目的としています。減塩の重要性,その方法を,体験を通して楽しく学べるように,知的好奇心を刺激する新しい感覚のイベントを目指しています。

減塩サミットの主旨をご理解いただき,貴施設・団体で計画されている開催内容について,減塩サミット開催申請書に概要をご記載ください。日本高血圧学会減塩・栄養委員会にて,当委員会が後援する減塩サミットとしてふさわしいかを検討させていただき,日本高血圧学会ホームページで紹介するなど協力させていただきます。

日本高血圧学会は学術総会や臨床高血圧フォーラムのランチョンセミナーで減塩弁当を出しています。

日本高血圧学会総会における減塩弁当の紹介

第33回日本高血圧学会総会

2010年10月15~17日の日本高血圧学会総会(福岡)では学会長をはじめとする学会関係者の意向により,「減塩ヘルシー弁当」を提案させて頂きました。

(1)「減塩は不味い」「ご飯食(和食)は塩分過多」を払拭し「Naを減らし,Kを増やしても美味しい」を実感してもらうこと,(2)栄養バランスを示すツールとして厚労省と農水省が策定した「食事バランスガイド」を表記し医療関係者への周知を図ることを目的に,新規減塩食品を用いた減塩ヘルシー弁当提供の試みを行いました。非常に好評で,他学会でも紹介されています。

(早渕仁美)

第38回日本高血圧学会総会

日本高血圧学会は地域の減塩活動や減塩イベントの開催の支援も行っています。

3. Individual approach

高血圧患者個人,家族および医療従事者へのはたらきかけによる食塩摂取減少

減塩実践の支援ツールの提供

実地医家,コメディカル,患者自身が使用できるそれぞれのツールの開発をめざします。

減塩指導に際しては患者自身の食塩摂取量を測定することが重要です。24時間尿中食塩排泄量の測定には24時間蓄尿による実測のほか,夜間尿や起床後第2尿,随時尿からの推定が用いられていますが,もっとも簡便である随時尿を用いて24時間尿中食塩排泄量の評価を行える計算式の再検討を行い,それをもとに随時尿による食塩摂取量評価のツールを作成する計画を立てています。また,栄養士による聞き取り調査で利用できる食塩摂取量に重点を置いた質問表の作成についても検討を行うことにしています。

4. Publicity activities

減塩・栄養委員会の活動や減塩に関する広報活動

減塩実践の支援ツールの提供

医家向けと一般向けのホームページを2011年6月28日に開設しました。小冊子や減塩レシピの改訂版も2012年12月5日に出版しました。

問い合わせ先
  • 日本高血圧学会 事務局
    減塩・栄養委員会担当
  • E-mailgenenjpnsh.jp

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