さあ、減塩!(減塩・栄養委員会から一般のみなさまへ)

食塩の知識

減塩について

減塩の必要性

心血管病の原因となる高血圧はいろいろな生活習慣の歪みで生じますが,そのうちの最も重要なものの一つに食塩過剰摂取があります。海から陸に上がった生命体の生命維持機構の重要なものの一つに食塩(ナトリウム)が体外に失われることを防ぐということがありました。しかし,文明の進化とともに食塩摂取量は石器時代の1日1~2g以下から10g以上へと増えてしまいました。このため,高血圧が増え,それに伴う脳卒中や心臓病,腎臓病などが増加しています。また,食塩の過剰摂取は高血圧を介さず,直接心血管病の原因になることもあるといわれています。そのため,減塩は高血圧の患者さんだけではなく,健康な人たちにとっても大切なことなのです。

減塩目標

日本高血圧学会では食塩摂取量1日6g未満の目標を掲げています。この値はたくさんの高血圧患者さんで減塩の試験をして確実に血圧が下がった値を参考にして決めたものですが,実は中間目標なのです。本来はもっと少ない値にすべきだというのが専門家の意見で欧米ではもっと少ない値が最終目標として示しているようです。
(ASN Statement in Support of US Dietary Guidelines for Americans 2010)

ところが,「日本人の食事摂取基準」においては男性の1日の食塩摂取量の目標値が7.5g未満,女性が6.5g未満という目標値があげられています。これは血圧が正常の人では減塩はそれほどしなくてもいいということではなく,平均食塩摂取量は1日10.7gの日本人が1日6g未満にするのは現状では無理だろうからということで決まったものなのです。高血圧学会の1日6g未満が中間目標といいましたが,この「日本人の食事摂取基準」の目標値はさらに暫定的な値ということができます。

減塩に関する問題点

私たちは加工食品やレストランでの外食,市販の弁当などの食事をたくさん摂っています。もちろん,減塩のための個人の努力は重要です。しかし,もともとは食塩(ナトリウム)を保持するように身体ができており,食塩に対する嗜好も強いわれわれが,食塩にあふれた現在の環境で減塩の努力することは決してたやすくはありません。すなわち,政府や企業の方々の協力なくしては減塩の推進は難しいと考えられます。

減塩のコツと塩分の多い食品・料理

(2011年6月掲載)

簡単なまとめを作りましたので,ご参照ください。

夏の日常生活における水分と塩分の摂取について:熱中症予防と高血圧管理の観点から

ポイントは夏には水分を多くとること,夏でも減塩をすること,発汗が多いときには水分とともに少量の食塩を含むミネラルを補給することです。

本当に減塩は心血管病を減らすのでしょうか

食塩を取りすぎると高血圧になりやすく,減塩は血圧を下げるということは,多くの研究から確かです。しかし,減塩が心血管病の発症を改善するかという点に関しては,動物実験では多くの成績がありますが,ヒトでは矛盾した報告もあります。

食塩の摂取量が変わるといろいろなものの摂取量が変化することや,心血管病の原因は高血圧だけでないことからヒトで確かな成績を出すことが難しいというのが,矛盾した成績の原因となっています。しかし,矛盾した成績は,いずれも減塩の有効性を否定できるほどのものではないというのが,大多数の専門家の意見です。

確かに食塩(ナトリウム)はある程度は必要ですが,現代人のように10g/日以上といった過剰の摂取は明らかに有害です。なお,極端な減塩は高齢者,幼児,臓器障害のあるものなどでは問題がある場合がありますが,これは6g/日よりもずっと少ない量と考えられています。

したがって,日本高血圧学会がかかげる減塩6g/日未満は,高血圧の治療や予防に有用であるのみでなく,心血管病の予防・治療にも有用性が期待されるものと考えられます。

(安東克之,河原崎宏雄)

問い合わせ先
  • 日本高血圧学会 事務局
    減塩・栄養委員会担当
  • E-mailgenenjpnsh.jp

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