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学会活動等

人を対象とする医学系研究Q&A【研究資金、COI】

(2015年9月29日初版。必要に応じて随時改訂いたします。ご意見は学会事務局までお願いいたします。)

6.学会におけるCOIの管理体制:委員会、公益通報

Q6-1 学会の利益相反委員会はCOIの管理にあたって何をしているのですか?
A6-1

COI委員会は、「日本高血圧学会利益相反マネージメント指針・細則」に沿って、本学会が行うすべての事業において、重大な利益相反状態が会員に生じた場合、あるいは、利益相反の自己申告が不適切で疑義があると指摘された場合、当該会員の利益相反状態をマネージメントするためにヒアリングなどの調査を行い、その結果を理事長に答申します。また、理事会と連携して、利益相反ポリシーに定めるところにより、会員のCOI 状態が深刻な事態へと発展することを未然に防止するためのマネージメントと違反に対する対応を行います。本Q&A作成もその業務の1つです。

Q6-2 臨床研究に関わる研究者について重大なCOI状態があると判断された場合、高血圧学会としてどのように対応するのでしょうか。
A6-2

一般の臨床研究について、高血圧学会は学術集会での応募や学会誌への投稿の段階においてCOI状態を把握します。高血圧学会自体が関係する臨床研究(主導研究、共同研究、後援研究)では、研究計画書の段階でCOI状態を把握します。COIを把握した段階で重大なCOI状態があると学会長や雑誌編集委員会、研究の審査に関わる委員会などが判断すれば、COI委員会に諮問があり、COI委員会はヒアリングなどの調査を行い、その結果を理事長に答申します。理事会は答申に基づいて問題がある場合には適正化を図るための改善措置などを指示することができます。COIの開示が不適切であるなどの疑義が生じた場合も同様の対応をします。

なお、重大なCOI状態については、存在自体が問題ではなく、適切にマネージメントされているかが問題です。

COI委員会の具体的な検討内容としては、研究結果の発表段階であれば、COI委員会は重大なCOI状態について適切なマネージメントがなされていることの説明責任が果たせるかを審議します。研究計画段階であれば必要に応じて適切なマネージメントがなされるように助言や改善措置(責任医師から分担医師への変更など)を指示することもあります。COI状態の適切なマネージメントについては、日本医学会のガイドラインのQ&A「4. COIマネージメント(管理)の意義と実際について」の最初にある、「Q 関連企業などから多額の報酬や助成金を得ている研究者は重大なCOI状態にあると考えられるが、具体的にどのようなマネージメントがなされるべきですか?」の下記の回答が参考になります。

重大なCOI状態が予想される研究者であっても、そのような状態にあることを社会に対して適正かつ明確に開示することが大切です。また、臨床研究・試験に参加する健常者、患者などの被験者が、そのことを十分理解し、熟知したうえで参加し、かつ研究者が研究の方法、データの解析、結果の解釈などを公正に行った場合には、そのような臨床研究も、正当な研究として社会的に容認される環境を作っていくことが求められます。

Q6-3 日本高血圧学会の役員や各種委員会委員について重大なCOI状態があると判断された場合、高血圧学会としてどのように対応するのでしょうか。
A6-3

臨床研究とは別に、日本高血圧学会の役員や診療ガイドラインなどの作成委員会、学会誌の編集委員会、倫理委員会をはじめとする各種委員会の委員に就任する場合にCOIの自己申告が求められます。COI委員会は自己申告書に記載されている企業などとの利害関係について審議し、特に役員や委員長として活躍して頂く場合に問題がないかどうかを検討します。高血圧治療ガイドラインではすべての委員について判断しています(高血圧治療ガイドライン2014での詳細は序章4~5ページに記載)。

Q6-4 研究不正や利益相反関係が問題となるような研究を知った場合、学会に届け出るところはありますか?学会はどのような対応をしますか?
A6-4

臨床研究特別調査部会を設けております。学会員に関する通報については、学会理事長宛に文書でお送り下さい。メールの場合、学会事務局のメールアドレスに学会理事長宛でお送り下さい。

対象は、高血圧学会員が主要な役割を果たし深く関与する臨床研究(学会誌、学術集会での発表など)です。

COI状態の疑念に関する通報を受けた場合、理事長の指示によってCOI委員会が調査、ヒアリングをおこないます。その結果を含めて倫理委員会に理事長が諮問します。

その他の場合、理事長は必要に応じて適切な部署に諮問し理事会にて対応を協議します。

5. 研究者個人のCOI自己管理:COIの開示  
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