SPRINTの予備解析結果:降圧目標に関する新たなエビデンス
2015年9月11日に米国National Institutes of HealthからSystolic Blood Pressure Intervention Trial (SPRINT) の予備解析結果 (preliminary results)が発表されました。SPRINTは、50歳以上で1つ以上の心血管病リスクを持つか75歳以上である高血圧患者を対象に、降圧目標に関して120mmHg未満と140mmHg未満の群間で予後への影響を見た研究です。対象者は9250人で、そのうち慢性腎臓病合併2648人、心血管病既往1877人、75歳以上2636人でした。2018年12月まで実施予定でしたが、極めて早期に終了となったのは、120mmHg未満群で140mmHg未満群と比較して心血管病のイベントが約30%、死亡が約25%少なかったという予備解析結果が明らかになったためです。
日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、通常140/90mmHg未満を降圧目標とし、糖尿病や蛋白尿を伴う慢性腎臓病ではさらに厳格な130/80mmHg未満を目標として推奨しています。一方、75歳以上では150/90mmHg未満を目標とし、忍容性があれば140/90mmHg未満を目指すことを推奨しています。
今回のSPRINTの予備解析結果は、降圧治療における、より厳格な降圧目標の達成を支持するものですが、NIHも解析結果はまだ予備段階のものであることを強調しています。
通常の降圧目標を140mmHg未満よりさらに厳格な120mmHg未満とすべきかどうかについては慎重な判断が求められます。
日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、通常140/90mmHg未満を降圧目標とし、糖尿病や蛋白尿を伴う慢性腎臓病ではさらに厳格な130/80mmHg未満を目標として推奨しています。一方、75歳以上では150/90mmHg未満を目標とし、忍容性があれば140/90mmHg未満を目指すことを推奨しています。
今回のSPRINTの予備解析結果は、降圧治療における、より厳格な降圧目標の達成を支持するものですが、NIHも解析結果はまだ予備段階のものであることを強調しています。
通常の降圧目標を140mmHg未満よりさらに厳格な120mmHg未満とすべきかどうかについては慎重な判断が求められます。
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