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バルサルタン臨床試験の問題に関する高血圧学会の対応の経過報告 (平成25年10月30日)
バルサルタン関連の臨床試験に関係した高血圧学会会員の問題には学会として誠に残念で、混乱を招き遺憾に思っております。これらの会員に関しては、厳粛に対応していくため、現在倫理委員会で審議しております。 
 
さて、高血圧学会は、他学会に先駆けて、臨床試験のあり方に関して、第三者検討委員会を立ち上げ、議論し、5月開催の臨床高血圧フォーラムにて発表、シンポジウムを開催(利益相反に関する講演会;臨床試験における利益相反のマネージメント)、学会員だけでなく広く社会にも周知してまいりました。(参考:「臨床試験に関わる第三者委員会報告http://www.jpnsh.jp/topics/274.html) 
この報告書の「改善に向けた提言」では、日本高血圧学会が先導的役割を果たして以下の取り組みを行うことが示されています。  
(1)臨床試験における民間資金の役割を明確にし、かつ、民間資金を十分な説明責任の下で活用できるシステムを研究し、かつ、これを普及する。  
(2)複雑な研究体制及び論文・学会発表におけるルールと適合した、利害関係を十分に公開できるルール作りの検討  
(3)臨床試験のデータの信頼性について、必要に応じて第三者監査を行うための体制の整備  
(4)COI マネージメントに関するシンポジウム等の交流の場の提供 
 
この提言を受けて、高血圧学会として新たに取り組んでおります対応の現状を報告いたします。 
 
?“臨床試験の在り方委員会(仮)”の設置 
高血圧学会全体で、今後の我が国の臨床試験のあり方に関して、さらに議論するため、外部の方にも加わっていただいた新しい委員会を立ち上げ、透明性を重視した臨床試験のあり方、臨床試験実施能力の向上、不正再発防止の方策などを審議していきます。 
 
? 学会員や専門医の教育の強化 
COIマネージメントならびに、臨床実施能力の向上のために学会としての教育プログラムを展開します。学会総会や臨床高血圧フォーラムなどで、教育講演、シンポジウム、ワークショップ等を開催し、会員の能力開発の促進に加え、専門医の取得や更新に際して必要な修得単位としての認定システムを構築します。さらに、臨床研究に関するプログラム開発および実施については、専門医制度委員会と新たに設置した学会学術委員会のなかの“学会プログラムあり方ワーキング”で検討していきます。 
 
?“学会主導臨床研究ワーキング”の設置 
我が国において必要とされる高血圧診療に関する臨床試験の課題を広く議論し、真に国民の健康の増進に貢献しうる課題設定に取り組むよう、検討します。 
 
平成25年10月30日  
 
日本高血圧学会 理事会

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